07«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»09

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2009

08/31

Mon.

15:15:55

旅で会いましょう。 

Category【旅行

旅で会いましょう。 (大人の週末バックパック)旅で会いましょう。 (大人の週末バックパック)
(2001/07)
グレゴリ青山

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書き出しをご紹介しましょう。

 「グ」は特に用事のない長い旅をしたことがありますが、用事のない短い旅はしたことがないので、行ってみることにしました。
 用事はないといっても、おいしいものは食べたいし、おみやげも買いたいし、温泉があればつかりたいと思うので、行ったら行ったでいろいろと用事はできてしまうだろうから、なるべく荷物や、観光の用事は少なくしました。
 旅の長さは、それぞれ一週間以内の、おつとめをしている人の週末と有給を足したくらいの日にちです。短い日にちだからといって、むやみに飛行機に乗るのはこわいので、なるべく移動は宙に浮かないで、海に浮いたり、陸を走ったりする乗り物を使いました。


※「グ」=本書ではマルの内にグです

著者のグレゴリ青山さんは、旅行好きな京女の漫画家さんです。
この本では、ウラジオストック、大連、台湾、上海、釜山を旅しておられます。普通の旅行と違うのは、ロシアへは海路を使っていること。

ここ数年で、ずいぶんと旅行の形態が変わったなぁと実感できる1冊でした。まず、写真が違う。今ではフィルム式よりデジカメが主流でしょう。人によっては携帯電話のカメラで済ませているかもしれません。こちらに掲載されている旅行は98年ごろのものですので、ちょうど10年前となります。アジアの10年は早いです。釜山の風景を見ても、「おお、古い!」と驚きの連続でした。

書き出しの文のように、ちょっとした文章とコミカルな漫画が絶妙です。ただ、今となっては観光ガイドとしては情報が古すぎると思いますのでご注意下さい。気分転換に丁度よい本です。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・旅行記が好きでよく読むのですが、たまには漫画もよいですね。ところで、旅行を題材にしている漫画って、コミカルなものが多いですね。劇画的、少女マンガ的っていうものに出合ったことがない気がします。それだけ旅には笑いの要素が多いということでしょうか。

・釜山の情報の中で、いくつか温泉の話が出てきます。思えば韓国の温泉って、あんまりおススメがないんですよね・・・。温泉好きな人に「おススメ温泉ありますか?」と尋ねると、なぜか大抵日本の温泉をおススメされます。何でも韓国は日本のように豊かな温泉源が少ないそうで、温泉に行くよりチムジルパンの方が楽しめるとか。


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2009

08/28

Fri.

08:36:44

すべての経済はバブルに通じる  

Category【ビジネス・経済

すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)
(2008/08/12)
小幡績

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書き出しをご紹介します。

サブプライムショックとは何か

 サブプライムショックとは、サブプライムにあってサブプライムにあらず。これがサブプライムショックの本質だ。サブプライムショックとは、サブプライムの内容とは関係がないのである。
 サブプライムローン問題に端を発する二〇〇七年夏以降の世界金融市場の混乱は、サブプライムショックと呼ばれる。一般的には、サブプライムローンの証券化により、そのリスクが見えにくく制御不可能となっているのが、今回の金融危機の本質的な問題、という議論がされてきた。しかし、ここで呪文のように語られる、サブプライムも証券化も、この危機の本質ではない。本質は、二一世紀型の新種バブルの生成と崩壊なのである。



サブプライムショック、本当にショックを与えてくれましたね。私も随分、痛手を被りました。貯金の大半をFX投資に回していた私にとって、これはもうショックどころの話ではありません。目の前、真っ暗になりました。最初は「また盛り返すだろう」と様子見していたのですが、どんどんとマイナスの幅は広がります。最初は「待ち」の姿勢を貫いていましたが、そのうちに焦りが拡大し、結局損切りを選択。全財産を失った上に逆にマイナスを作ってしまったという、なんとも辛い経験でした。

いろいろなところでサブプライムローンの仕組みについて語られておりますが、私はこの本が一番分かり易かったと思います。2007年の当時の様子がどのように動いていったのかを検証するとともに、投資の世界にどれだけファンダメンタル要素が重要であるかが見えたように思います。

サブプライム問題の前、あれはバブルだったんでしょうね。株価も上がってましたし、円安も進んでました。為替に関しては、本当に不思議なくらい円安が進んでましたね。イギリスポンドなんて、250円超えてましたよね。バブルのシステムは、結局成り行きが似ています。それがどのようにはじけていくのか、それはプロでもわかりません。現にプロでも今回のサブプライム問題では相当の負けを抱えているようです。

経済、投資、ビジネス、これらはバブルなしでは語れません。基礎を知るにピッタリの1冊だと思います。後半の記録を読むと、当時のことを分単位で思い出せるような気持ちになりました。どうしてリスクが生まれたのか。過去を振り返って分析したいかたにもおススメです。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・第2章の「リスクテイクバブル」(多くの投資家がリスクを求めてリスク資産に殺到し、それによりリスクがリスクでなくなり、結果的に彼らすべてが儲かることになり、さらに他の投資家も含めてリスクへと殺到する状況)の項を読み、「確かにあの時、そうだった」と思いました。著名投資家が新興会社の株を買ったと言う噂が出ると、みんながそこに流れ込む。最初にその株を買った著名投資家は、マイナスのリスクを負っています。しかしその人の著名度やパーソナル・ブランド力でマイナスを跳ね返し、利益を生んでしまう。これはもうサブプライムとは別件ですね。

・今になれば、「あそこが引き際だった」と思えますが、そんな引き際をパーフェクトに見破る術はありません。プロだってそうです。利益を生もうと思えば、引き際を見極めるのが大切なのは誰でも知っていることでしょう。常にリスクと背中合わせなんだと改めて思った次第です。



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2009

08/27

Thu.

15:06:06

日本の難点 

Category【社会

日本の難点 (幻冬舎新書)日本の難点 (幻冬舎新書)
(2009/04)
宮台 真司

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書き出しをご紹介します。

若者のコミュニケーションはフラット化したか

 「若者のコミュニケーションはフラット化したのか」とよく尋ねられます。人間関係が希薄になっているのか、という問いに殆ど同じです。フラット化しているのかどうか。その答えは「フラット化」ということの意味によってはYESです。というのは、「フラット化」といってもいろんな側面があるからです。
 とりわけ人間関係においてフラット化を語る場合に、必ず問題にしなければならないことがあります。「尊厳と他者(ないし他者性)との結びつき」です。「自分が自分であること(の揺るぎなさ)が何に支えられているのか」を問う場合、他者の存在が解答になるかどうかということです。
 そのことが問題化するのは、「他者の存在ゆえに---他者とのコミュニケーションの履歴ゆえに---自分は揺るぎない」というふうに考えるチャンスが減ってしまったからであり、もっと言えば、そうしたチャンスを支える社会的なプラットフォーム(基盤)が空洞化してきているからです。



読み応えのある新書が増えてきました。日本の社会が、今、どの方向に動いていて、どんな状態にあるのか。外から見ていると「日本、変わったなぁ」と思うことが多々あるのですが、中にいる時には全く何にも気がつきませんでした。そもそも、日本で暮らしている頃は「この国は大丈夫」という変な自信があったものです。どうにかなる、と思っていました。でも、最近の景気の低迷や、頻繁に入れ替わる総理大臣や、「草食系」「婚活」など若者文化の変化など、「このままでいいのか?」と思うことが確実に増えてきています。

この本は、そんな日本の難点とはなんぞや?を語った本です。著者の宮台先生は社会学がご専攻です。大学の先生の本と言えば、専門用語が多いお堅い教科書というイメージがありますが、宮台先生の文調は全く対照的です。鋭いことを仰っているのですが、どこか笑える要素がある。きっとツッコミがお上手なんだと思います。

読んでよかった。満足感もあるし、モチベーションアップにもなりました。自分の所属するコミュニティには、大雑把に言えば家族、学校、職場、地域社会、そして国という順に拡大していくと思います。その一つ一つをどう捉えるべきなのか、どうやって自分なりの意見を持つべきなのかがわかりました。特に今は選挙の時期ということもありますが、自分の所属する国がどのようにあって欲しいのかを考えるには最適と思います。特に、今の日本について語られた本ですので、風化される前にお手に取ることをおススメします。久々に3色ボールペン読書をしましたが、合わせて付箋もたくさん使いました。ここ数年余り、日本に居られるのは年に10日以内でしたから、この本で知った情報もたくさんあります。難しい言葉は説明が加えられてますし、「未曾有」には「みぞう」と仮名も振られてますので、すんなり読めるはずです。

一番線を引いたのは、第一章です(コミュニケーション論・メディア論)。人と人との関係のありかたが、どんどん変わってきている。家庭という血縁のグループ単位が縮小しているなか、人の心には繋がりというものが薄れてきているのかもしれません。

そして第二章の教育の話も納得です。返って子供の成長を止めるような気がします。それも幼稚園くらいから全力疾走させられているわけですから、大学あたりで疲れが出る。そうなれば、想像力なんてものは養えなくて当然です。また、「ミメーシス」のお話にも線をたくさん引いてます。一部書き抜きますと、

僕は、東大経済学部や東大法学部の主席の人たちを何人か知っています。興味深いのは、そういうレベルの人たちになると、多くがパブリックマインドに溢れていることです。(P90)

不思議なことに、我々は自己中心的な人間を「本乙にスゴイ奴だ!」と思うことはありません。「本当にスゴイ奴」とはどんな人間なのかを、叙事詩や万物学や悲劇を通じて探求した初期ギリシアの時代から、この不思議さは気付かれていました。そのことに関係しているかもしれません。
 たとえば、「本当にスゴイ奴」とそうでない奴の違いは、初期ギリシアの言葉(プラトンの言葉)で言えば、ミメーシス(感染的模倣)を生じさせるかどうかで分かるのです。ミメーシスというのは、真似しようと思って真似るのではなく、気がついたときにはまねしてしまうようなものです。(P91)



ミメーシスの話は自己啓発にも繋がります。こういう人が増えれば、日本の社会が良くなっていくのでしょう。私もこの本を読み、日本の外から何ができるかを考えています。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・「ゆとり教育」の最大の失敗点は、全ての人々が「ゆとり教育」の意義や目標値を理解していなかったことにあると、著者は言っています。私はもちろんゆとり教育世代ではなく、当時はあまり気にもせずに過ごしていたように記憶しています。今になって思えば、教育というのは未来の国を担う人々を育てる機関なわけですから、そんな「私には関係ない」とは言えないことなんですよね。もっと国の教育制度に関心を抱くべきだということ、この本を読んで気付きました。

・アメリカのお話、とてもおもしろいです。確かにブッシュ政権がなければ、オバマ政権は登場しなかったことでしょう。今、アメリカ社会の構造に関心を持っているので、大変興味深く読めました。

・日本を良くしたい!という熱い気持ちがなければ、このような本は書けないでしょう。最初から最後まで説得力ある説明に関心しながらも納得できました。これは多くの人が読むべき本です。特に在外の方、読んでみて下さい。

目次、折り込みます。

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2009

08/26

Wed.

21:06:11

虞美人草 

Category【日本文学

虞美人草 (岩波文庫)虞美人草 (岩波文庫)
(2000)
夏目 漱石

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書き出しをご紹介します。

 「随分遠いね。元来どこから登るのだ」
と一人が手巾で額を拭きながら立ち留まった。
 「どこか己にも判然せんがね。どこから登ったって、同じ事だ。山はあすこに見えているんだから」
と顔も体軀も四角に出来上がった男が無造作に答えた。
 反を打った中折れの茶の廂の下から、深き眉を動かしながら、見上げる頭の上には、微茫なる春の空の、底までも藍を漂わして、吹けば揺くかと怪しまるるほど柔らかき中に屹然として、どうする気かといわぬばかりに叡山が聳えている。
 「恐ろしい頑固な山だなあ」と四角な胸を突き出して、ちょっと桜の杖に倚たせていたが、
 「あんなに見えるんだから、訳はない」と今度は叡山を軽蔑したような事をいう。
 「あんなに見えるって、見えるのは今朝宿を立つ時から見えている。京都へ来て叡山が見えなくなっちゃ大変だ」



この間読んだ『草枕』に引き続き、夏目漱石を読んでいます。

岩波文庫版は、現代語訳ではなく訳注の付いた旧かな版です。

この人物は若者(男3名、女3名)の人生のかかわりと、彼らの周りの保護者との関係、そしてそれぞれの人間性を書いた長編小説です。註によりますと、漱石が朝日新聞に入社して職業小説家としての第一号作とありました。

甲野さんと宗近君の京都の旅から話は始まります。それぞれ甲野さんには藤尾、宗近君には糸子という妹がおりますが、歳は近いとも二人の性格は全く異なる。甲野さんの父はヨーロッパで頓死し、異母兄妹の藤尾、その母とともに暮らしておりますが、心は通じ合っておりません。一方、宗近君のところは互いに信頼し合える健全な兄妹関係にあります。藤尾は美しく気高い女性で、甲野さんの学校時代の知人である小野さんから英詩を習っている。その小野さんは、とても優秀な人で今は博士論文を書いている。そして小野さんには、京都時代にお世話になった恩師とその娘さんの面倒をみなければならないという、過去の約束がある。

これらの事情が6名の周りを巡り、悲劇となるお話です。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・『草枕』を読んだ時ほど「むずかしい」とは思いませんでした。旧字体にはかルビが振られていますし、後ろの註を読むことで理解ができます。

・それぞれの登場人物の性格の特徴を見ていると、誰にでもこんな面はあるのでは?と思えてきました。それぞれに「弱さ」がある。その判断基準になっているのが、宗近君の存在かと思います。今の世にも通じる人間模様です。

・岩波版を読み始めて、まだ2冊目です。漱石の文学を理解できるようになるには、まだまだ読んでいかなくてはと思っています。職業作家となり、初の作品が悲劇というのも興味深いですが、この小説は人間関係とそれぞれの人柄が、面白さに色を添えています。登場人物の会話も、その掛け合わせが変わるごとに、会話の調子が変わってくる。それがおもしろくて、一気に読めてしまいました。



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2009

08/25

Tue.

09:38:57

ハイヒール・マジック 

Category【ファッション

ハイヒール・マジック! -あなたのキレイが必ずかなう、ハイヒールの履き方歩き方-ハイヒール・マジック! -あなたのキレイが必ずかなう、ハイヒールの履き方歩き方-
(2008/09/11)
マダム 由美子

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書き出しをご紹介します。

ハイヒールでいつでも魔法をかけられる

 私たちは普段から、自分を少しでも魅力的に見せたいと考えています。スタイルもよく見せたいし、振る舞いも上品に見せたいし、服の着こなしもセンスよく見せたいし……。そのためにダイエットに励んだり、服選びやメイクにあれこれ思い悩みます。
 「下腹が出ているからパンツをはくと目だってしまう。これは腹筋を鍛えるべきなのか、それともパンツ選びでどうにかなるのか?」
 「顔が大きいのが悩み。でも、整形してみたところでまさか顔自体は削れないし。なにかいい化粧法とかないかしら」
 「そもそも脚の格好が悪い。スカートをはいたってパンツにしたって、もとの形は変えられない。うまくごまかしたいけど……」



久々のファッション・ビューティー本です。
私は偏平足で足が薄く、今までピッタリ!と思える靴に出会ったことがありません。大抵は靴に下敷きを入れたりと何らかの調整を加えますが、それでも快適には程遠い。よって、どうしてもスニーカーやバレエシューズなどヒールのない靴を選びがちでした。この本を読もうと思ったキッカケは、イタリアのおばあさんが真っ赤なハイヒールを颯爽と履きこなしている映像を見たからです。何かの旅行番組だったと記憶しています。とにかくキレイでした。背筋を伸ばし、足場の悪い石畳の上をゆっくり歩いて行くおばあさん。イタリア女性は何歳になってもお洒落することを忘れないんですね。

この本を見て驚いたのは、掲載されてる「ヒールなし」「ヒールあり」の比較写真です。本当に違う。特に裸足になると、その差は歴然です。書き出しにあるスタイルも、顔の大きさも、足の長さも、写真を見ると「ああ、本当に解決してる・・・」と実感できます。ヒール一つでここまでスッキリするものかと驚くに違いありません。そして、「ああ、今までもったいないことした・・・」と思うことでしょう。

その理由は、比率の差です。例え幅が同じでも高さが変わることで比率は代わります。幅50?長さ100?のバスタオルと、幅50?長さ200?のバスタオルでは、後者が随分細く感じるはず。それと同じことで、足元を数センチ(本書では、身長160?以上なら7?以上を、160?以下なら7?程度のヒールを推奨しています。)上げるだけで、腰も締まって見えるし、顔も小さく見える。単なる目の錯覚なんでしょうけれども、効果激大です。

私のように靴探しが難しい人は、ヒールと聞いただけで引いてしまうことと思います。シューフィッターさんにお願いして見立てて頂いたにも関らず、お蔵入りしたヒールは数知れず。それを思うと、ヒールに脚を滑らす気持ちが起きませんでした。著者のマダム由美子さんは、靴を選ぶ時になんと10分余り試し履きしてみるんだそうです。私の試し履きはせいぜい長くてお店の端を行ったり来り。1分余りでしょうか。確かに脚が痛くなり始めるのって、履いて10分後くらいですよね。歩いているわけでもないのに、脚がしびれてきたり、締め付けられてきたりと、靴の数だけ症状が起きます。この靴選びのお話はとてもためになりました。あと、ストッキングの切れ端を持ち歩き、足が痛くなった時の応急処置方法や、アームバンドをベルト代わりに使う方法は今すぐにでも実行できそうです。

女性のみなさん、これはおススメ。まさにマジックです。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・マダム由美子さん、長くバレエをなさっていたそうです。バレエの足裁きがヒールの履きこなし方に関連しているというお話、おもしろかったです。ヨーロッパの方がどうしてあんなにバレエを愛するかがわかりました。バレエ=優雅、ということですね?

・海外で生活している方から聞く話で共通することが一つ。観光客を観察していると、日本人の観光客には姿勢の悪い人が本当に多い。ソウルの街でもミョンドンを歩いていると、男女差なく日本人は姿勢が悪いです。背筋が曲がっているし、足も決して颯爽とは言える代物ではありません。私も猫背だったのですが、ソウルに来てすぐの頃、ショーケースに映る自分の姿があまりにもバランスが悪いことに気がつきました。必死で治している最中なのですが、なかなか難しいものですね。でもヒールなら、確かに猫背の防止になるかもと思います。

・日本人の姿勢の悪さは、舗装の良さに影響しているのではないでしょうか。ヨーロッパは基本的に石畳の街が多いですが、ヒールで闊歩している人をよく見かけました。ソウルもレンガが埋め込まれている歩道が多いので、歩き難いことが多いです。道が悪いと、猫背で歩くのは負担が大きい。単純に歩き難いと思います。ですので、意識して姿勢を正していることもあると思いますが、ガタガタの道を楽に歩こうとすると、自ずと背筋が伸びるのかもしれません。

・靴は人を表すと聞いたことがあります。確かにTPOを選びますし、汚れた靴はその人自身が汚れているようにも見えるかもしれません。欧米では高価な靴を大切に履き、手入を加えながら何年も履くんだそうです。私もこういう靴を一つ購入し、徹底的に歩き方やファッションを変えようと決めました。


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2009

08/24

Mon.

16:16:35

辺境・近境 

Category【旅行

辺境・近境 (新潮文庫)辺境・近境 (新潮文庫)
(2000/05)
村上 春樹

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書き出しをご紹介します。

 イースト・ハンプトンに行くことになったと言ったら、何人かの出版関係の知り合いが「じゃあ向こうに行ったら是非この人に会いなさい」と言って当地に住む知り合いの作家の名前を挙げてくれた。出版社の広報担当者であるジリアンはトム・ウルフとデヴィッド・レーヴィットとE・L・ドクトロウの名を挙げた。「ニューヨーカー」の編集者であるリンダ・アッシャーはカート・ヴォネガットの名前を挙げた。ジリアンもリンダも生粋のニューヨーカーだが、ハンプトンにも家を持っていて、そういった作家たちはご近所に住んでいるお知り合いなのである(残念ながら今回はヴォネガットともドクトロウともレーヴィットとも会うことはできなかった。トム・ウルフとは後日ニューヨークで会うことができたが)。



村上春樹さんの旅行記です。今回の行き先は、イースト・ハンプトン(アメリカ)、からす島(瀬戸内海)、メキシコ、讃岐、モンゴル、アメリカ大陸横断と幅広い。メキシコでは前半はバスで移動し、後半はカメラマンの松村氏と車で太平洋沿いの街をめぐります。

旅はやっぱりいいですね。自分で旅することも好きですが、こうして優れた旅行記を読むことも旅への憧れがむくむくと刺激され、「ああ、旅に出なくちゃ」という気分にさせてくれます。「○月×日 △曜日 今日はイースト・ハンプトンに行った。海がきれいだった。ここは作家が多く住む街で、スピルバーグ監督も別荘を所有しているらしい。静かな街だった。」式の旅行記はたくさんあります。私の旅行記なんかもっと酷いものです。村上さんの旅行記には、しっかりと五感が詰められており、毎度圧倒されながら読み終えます。きっと、説明するに充分な語彙をお持ちなんだろうな、と改めて自分の言葉への扱いのぞんざいさを反省しました。

この本には、並行した写真集があります。

辺境・近境 写真篇 (新潮文庫)辺境・近境 写真篇 (新潮文庫)
(2000/05)
松村 映三村上 春樹

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合わせて読むと、楽しいですよ。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・旅が大好き。でも、どうしたって旅行はお金がかかるものです。車で移動するにしても、ガソリン代やら高速のお金がかかる。海外ともなると、航空料金代だけで旅費の半分あまりを占めてしまう。世界は広く、行きたいところはたくさん。時間とお金があれば・・・と伸ばし伸ばしにしているうちに、あっという間に旅がしんどい世代になってしまうかもしれません。村上さんの旅行記を読むと、旅での経験を生かすには、やはり後にアウトプットすべく感度を高めた旅をすることが大切だと思うようになりました。事前にガイドブックを読み、計画を立てますが、いつのまにか計画をこなすことに躍起になり、大切なことを見落としがちです。旅が消耗品にならないよう、感度を高め、自分を高めるような旅を続けたいと思います。

・ちょうど一ヶ月ほど前に、『20代、お金と仕事について今こそ真剣に考えないとヤバイですよ!』という本をご紹介しました。

参考記事 20代、お金と仕事について今こそ真剣に考えないとヤバイですよ!

その本の中に新婚旅行は一過性のものであって、再生不可能なものとありました。旅行から多くの学びを得てきた私としては、このくだりに納得行きませんでした。村上さんの旅行記を読んでいると、旅は決して一過性のものではないと確信できます。それは旅した人のマインドのあり方と、旅を書物と同じようにインプットしアウトプットできる素材であると考えていないだけのことのように思えてなりません。みなさんはいかがお考えですか?



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2009

08/21

Fri.

11:45:18

草枕 

Category【日本文学

草枕 (岩波文庫)草枕 (岩波文庫)
(1990/04)
夏目 漱石

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書き出しをご紹介します。

 山路を登りながら、こう考えた。
 智に働けば角が立つ。情に棹れば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
 住みにくさが高じると、安いところへ引き越したくなる。どこかへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画が出来る。



森見登美彦さんの作品を読んでいたら、ふと夏目漱石の作品が読みたくなりました。それも現代語訳版ではなくて、原書のもの。全集が欲しいところですが、ゆっくりと文庫版で揃えていこうと思います。

さて、久々の明治文調。正直申し上げて、外国語を読んでいるような気分でした。感を取り戻すには、あと数冊読んで文体に慣れる必要がありそうです。この岩波文庫版の長所は、巻末に丁寧な註が添えられていることだと思います。いちいち辞書を引く必要がないですし、今ではその風習が廃れてしまいピンとこない部分など、註を読むだけですっと理解ができました。

また、解説も充実しており、『草枕』には重松泰雄氏による20ページにもなる読み方指導が寄せられています。勉強不足で知らなかったのですが、この作品の書き出しは非常に有名だそうです。ブログ記事にするにあたり、上の書き出しを音読しながらタイピングしてみると、なるほど確かに素晴らしい文章です。

このお話は、画家が旅路の逗留先で見たあらゆること、そして出会った人々の一風変わった様子を記したものです。漱石は国費でイギリスに留学していたわけですが、時々ターナーやメレディスの名が出てきます。漱石のロンドン生活は、それほど幸せなものではなかったようですが、上の書き出しのように、住みにくいと悟ったことでこのような小説ができたのかもしれませんね。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・画家の独白部分はちょっと難しく感じましたが、会話文はわかりやすいです。100年前の言葉、とても優しく感じました。この時代の作品をもっと楽しく読むためには、漢文や俳句・短歌の知識があるとよいですね。

・この作品は、熊本が舞台ではないかと言われています。温泉町に逗留する若い画家。西洋に明るく、英語も読める。静かに街を観察している様子や、それを短歌に収める姿が目に浮かぶようでした。


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2009

08/20

Thu.

10:08:01

子どもの宇宙 

Category【哲学・心理

子どもの宇宙 (岩波新書)子どもの宇宙 (岩波新書)
(1987/09)
河合 隼雄

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書き出しをご紹介します。

子どものなかの宇宙

 この宇宙のなかに子どもたちがいる。これは誰でも知っている。しかし、ひとりひとりの子どものなかに宇宙があることを、誰もが知っているだろうか。それは無限の広がりと深さをもって存在している。大人たちは、子どもの姿の小ささに惑わされて、ついその広大な宇宙の存在を忘れてしまう。大人たちは小さい子どもを早く大きくしようと焦るあまり、子どもたちのなかにある広大な宇宙を歪曲してしまったり、回復困難なほどに破壊したりする。このような恐ろしいことは、しばしば大人たちの自称する「教育」や「指導」や「善意」という名のもとになされるので、余計にたまらない感じを与える。


この本は河合隼雄先生が児童文学を例に子どもの心にある宇宙について語った本です。非常に読みやすい上に、紹介されている児童文学のおもしろさにぐんぐん引き込まれると思います。

実際にお子さんがいらっしゃる方ならば、「ああ、そうだ!」と共感されることも多いのではないでしょうか。一般に「子ども」と言うと、幼稚園、小学生くらいの小さな存在を想像しがちです。しかし河合先生が実際に心理治療に当たった子どもの中には中学生や高校生も存在します。子どもとは、私たちが思う以上に長い時間のことを言うのかもしれません。

この本を手に取った理由は、まず梨木香歩さんが河合先生のもとで学ばれたという記事を読んだことに始まります。以前から河合先生のお名前は、雑誌「飛ぶ教室」などで存じていたのですが、著作を読むまでには至りませんでした。雑誌に寄稿された記事を多く読んだことも、なかなか著作に手が伸びなかった理由かもしれません。最近は梨木さんのような児童文学出身者の書く小説に惹かれるようになったこともあり、一度しっかりと河合先生の本を読みたくなりました。

自分の子ども時代を思い返しても、トラウマとなっているものもあれば思い出となっているものもあります。その理由がわかりました。お子さんがいらっしゃる方、一読をおススメします。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・私はMichael Jacksonが大好きです。彼は子どもの頃からショウ・ビジネスの世界で働いてきたことで、子ども時代を失ってしまったと語っていました。だからこそ、大人になって子どもたちが楽しめるネバーランドを作り、病気の子ども達に解放し、自分自身も楽しんできたんだと思います。そんなMJの気持ち、この本を読んで少しわかった気がします。動物、宇宙、変身などなど、キーワードはたくさんあったんですね。もしMJが河合先生に会えていたら・・・と思わずにはいられません。

・児童文学にはそれぞれ楽しみ方があります。大人の目から分析する方法としては、その物語の根底にあるテーマを見つけることから始まりますが、子どもはただただ想像力に訴えてくる不思議なイベントに惹かれるものです。大人が今でもファンタジーに弾かれるのは、そんな子どもの頃に育てた宇宙の存在がなせる技なんだと思います。

・何よりも河合先生の文章の素晴らしさに感嘆することでしょう。この本も温かみのある知的な本でした。これからもう少し、先生の著作を読んで行きたいと思います。


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2009

08/19

Wed.

18:24:59

カラフル 

Category【日本文学

カラフル (文春文庫)カラフル (文春文庫)
(2007/09/04)
森 絵都

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書き出しをご紹介します。

 死んだはずのぼくの魂が、ゆるゆるとどこか暗いところへ流されていると、いきなり見ず知らずの天使が行く手をさえぎって、
 「おめでとうございます、抽選に当たりました!」
 と、まさに天使の笑顔を作った。
 天使の言い分は、こうだった。
 「あなたは大きなあやまちを犯して死んだ、罪な魂です。通常ならばここで失格、ということになり、輪廻のサイクルから外されることになります。つまり、もう二度と生まれ変わることができない。しかし、そんな殺生な、という声も高いことから、うちのボスがときどき抽選で当たった魂だけ再挑戦のチャンスを与えているのです。あなたは見事その抽選に当たったラッキー・ソウルです!」



書き出しからもわかるように、「ぼく」は今、天に昇っていく魂です。それが抽選に当たって、現世に戻ってくる。罪を犯した魂は生まれ変わることができません。天使が言うには、その罪を期間限定で現世に戻って償うことでまた輪廻のサイクルに乗れるというのです。しかも、このオファーは断れない。ぼくは連れられるままに現世へと戻り、知らない人の体に入り込みます。

著者の森絵都さんは、児童文学を多く世に送っておられるかたで、この作品で第46回産経児童出版文化賞を受賞されています。登場人物は中学生の体に入った僕とその家族、そして抽選担当兼ガイドの天使プラプラ。死をどのように子どもに伝えるか、命の大切さや子どもが感じる死の恐怖をどうやって回避させるかがコミカルに書かれた作品だと思いました。昨今、若い人の自殺が増えています。大人の目から見ると「なにもそんなことで・・・」とつい思ってしまうのですが、子供には子供の世界と価値観があります。親にとっては興味の欠片にも引っ掛からない些細なことも子供には一大事だし、中学生ともなると性との葛藤も始まります。事態が複雑に感じられる年頃です。

誰もが通る中学生ならではの悩みと、それに打ち勝つ方法ための心の目の開き方を教えてくれる作品です。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・この世で辛いことは、会いたい人に会えないことと、会いたくない人に会わなくてはならないこと。(私の父のことば)私が会いたい人はすでに他界しているのですが、この本のようにやり直しがあったらな、と思いました。ファンタジーならではの世界ですが、想像するだけでも楽しかったです。

・私も中学生の頃はたくさんの理不尽を心に抱えながら、反発していました。とは言え、子供にはそれを表現する方法がなかったり、抑制される環境(親が厳しいとか)、引き止めてくれる存在の有無などにより、その後の人生のベクトルが変わってしまうようの思います。でも、ここで反発しなければ、大人になってからもっと困る。社会人になって遅い反抗期に陥っては困る。無気力も反発の一種だと知りました。

・この作品、映画化もされたようです。時間の無い方はDVDでどうぞ。

カラフル デラックス版 [DVD]カラフル デラックス版 [DVD]
(2002/01/25)
田中聖滝田栄

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2009

08/18

Tue.

09:19:48

マイケル・ジャクソン裁判 あなたは彼を裁けますか? 

Category【MJ

マイケル・ジャクソン裁判 あなたは彼を裁けますか? (P‐Vine BOOKS)マイケル・ジャクソン裁判 あなたは彼を裁けますか? (P‐Vine BOOKS)
(2009/05/02)
アフロダイテ・ジョーンズ

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書き出しをご紹介します。

 マイケル・ジャクソンが無罪となった日、私は判決についてフォックスのスター・キャスター、ビル・オライリーに本音を問われた。数ヶ月にわたり、『フォックス・ニュース』で同裁判を報道してきた私は、反マイケルのコメントを数多く発していた。ポップ・スターは有罪だと、視聴者を信じさせるような発言をしてきたのだ。オライリーに「無罪」判決の感想を迫られた時、私は口ごもった。オライリーい率直な返答を求められ、私はようやく、陪審の判断は正しかったと思う、と語った。
 しかし、心のどこかでは、まだショックを感じていた。



著者はメディア関係の一人として、Michaelに関する誤解された情報を伝え続けてきた人です。今になり、人々はMichaelが本書のもとになっている2003年の裁判でも、そして93年の性的虐待疑惑についても「彼は無罪だった」と思っているのではないでしょうか?でも当時は違った。だれもがマスコミの流す誤解に満ちた情報を受け、有罪だと信じていた。彼は変人だと誰もが信じていた。著者は自分がマスコミ業界に携わる一人としてこの裁判を振り返り、Michaelがメディアの生贄だったことに気付きます。改めて一から裁判を見直し、なぜMichaelが起訴されたのか。どのように裁判が行われたのかを具体的に追っていくことで、改めて裁判の意義を問い直している大作です。

裁判については、wikipediaでも簡単な内容が記されています。

wikipediaの記事

この頃、MJファンの方が増えているようですね。CDも今まで以上によく売れているようですし、関連グッズの販売も増えています。MJに関するいろいろな資料を読むにあたり、この裁判の話は必ずと言ってよいほど取り上げられる事件ですし、最もゴシップとなるのもこの話題です。MJの音楽を心から楽しむ為にも、この本はもっともっと多くの人に読んでもらえたらと思います。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・裁判の内容ですので、まずは日本語訳を読ました。洋書版も読んでおきたいです。

Michael Jackson ConspiracyMichael Jackson Conspiracy
(2007/06)
Aphrodite Jones

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・読んだ感想。これは集団リンチですね。世界で一番大きなリンチです。Michaelの富や名声を利用するだけでは飽き足らず、とことん陥れようとした人々の多さに怒りが込み上げました。この時、検察側は、ネバーランドの母屋の床板まで剥がし、パソコンのデータから私物までを荒らして持ち去りました。ただでさえ少ないMichaelのプライバシーを全て持ち出した。それ以来、Michaelはこの家に戻っていません。なんの恨みがあってこんな大人げないことをしたのでしょう。彼はいつも与える人だったのに、それを踏みにじる行為があまりにも卑劣すぎます。

・当時、私はゴシップが嫌で嫌でたまらず、一切この手の情報には触れないようにしていました。この本を読み進めるのに非常に時間が掛かったのですが、それは苦しくて読み進められなかったからです。こんなことが自分におきたとしたら、私は絶対に耐えられないと思います。彼は性器の写真まで撮られてるんです。これは普通ではありません。無実の人間をここまで追い込んだなんて、一体何のためにと思わずにはいられません。

・この本はMichaelの人柄うんぬんより、裁判の記録です。アメリカ社会の偏見の記録です。アメリカの言う「自由」とは、人を傷つける可能性もあることを知りました。アメリカという大国が持つ潜在的なパワーと、King of POPという大きな存在だったからこそ、ここまでの事件となったのではないでしょうか。MJを羨む人は多いでしょうし、羨まずを得ない社会構造を持つアメリカ。むしろ彼を叩いたのは、知識層なのかもしれません。



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2009

08/17

Mon.

08:20:59

マイケル・ジャクソン★ポップ・レジェンドに捧ぐ 

Category【MJ

マイケル・ジャクソン★ポップ・レジェンドに捧ぐマイケル・ジャクソン★ポップ・レジェンドに捧ぐ
(2009/07/23)
ILM

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イギリスのNational Magazine Company社から出ている『Michael Jackson★Tribute to a legend』の日本語訳版です。
書き出しをご紹介します。


 マイケルは、米インディアナ州ゲーリー郊外にある労働階級の家庭で育った。生まれつき、抜群の音楽センスを備えていたマイケルは、5歳にして兄弟たちのいるバンドに加わる。不世出のスターはここから人気を博し、次第に世界中を魅了していく。



個人的な印象ですが、90年代にMichaelがゴシップの嵐に巻き込まれてからというもの、アメリカの人々はMichaelの音楽性に全く目を向けなくなりましたが、ヨーロッパのファンはそうではなかった気がしています。「別に彼が変人だっていいじゃん。彼の音楽が素晴らしいことには代わりないでしょ?」という意見を多く聞きました。また、This is it Liveが開かれる予定だったという土地柄もありますし、今までのコンサートの動員数でも記録を残している英国ならではの雑誌です。TributeよりCelebrate感のある1冊だと思います。

この本は写真も多く、文章も充実しています。(途中「The way you make me feel」のショートフィルムに出演していたタチアナと付き合っていたという話がありますが、それは間違い。)Michaelの成長に従い、幼少時代から最後のカーテンコールまでの記録を写真とともに追っていくスタイルです。

おもしろかったのは、Jackson5のイギリス公演の写真。バッキンガム宮殿やダウニー街で普通の観光客みたいに写真に納まっている5人の写真がとても微笑ましいです。大人になってからは、もうそんなことはできなかったでしょうから・・・。

「Michaelを知ろう!Michaelの音楽を知ろう!Michaelってスゴいんだぜ!」という意欲の感じる1冊でした。この1冊でMichaelの歴史に関してはかなり学べますし、ゴシップ記事についても非常に冷静な目で記されています。巻末にはディスコグラフィーの他、映画や書籍の紹介もあります。最後に芸能界からの追悼コメントが写真付きで紹介されているのですが、イギリス色に溢れていて、日本で紹介されている他雑誌との違いを際立たせています。This is itツアーの記者会見の司会をした人のコメントまで出てるのが可笑しいです。(彼はこの時1度しかMichaelに会ったことないはずじゃなかったかな?)

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・イギリスにはMichaelファンの人が多いですよね。Michaelが旅立ったというニュースが出てから、英国航空のLA行きはずっと満席続きだったと聞いています。イギリス人の思い、伝わってきました。

・ポスターの付録、ついてます。

・アメリカの本と注目するポイントや掲載されている写真が異なることもあり、ちょっと違う角度からMichaelを見ている気持ちになりました。どんなに大きな存在であったか、この本を読めばわかるでしょう。

・マイケルの才能を讃えるコメントが多いです。もちろん努力もしたでしょう。でも、彼の素質は抜きん出たものだった。だから誰にもMichaelを真似ることはできないし、第2のMichaelは当分表れないんだろうと改めて思わされました。


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2009

08/14

Fri.

09:48:27

who's BAD? マイケル・ジャクソン 1958-2009 

Category【MJ

who's BAD? マイケル・ジャクソン 1958-2009(シンコー・ミュージックMOOK)who's BAD? マイケル・ジャクソン 1958-2009(シンコー・ミュージックMOOK)
(2009/07/25)
THE DIG編集部

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書き出しをご紹介します。

 ショッキングンな終幕を迎えたマイケル・ジャクソンの人生。終ってみれば、その殆どの時間は賞賛というライトに照らされた輝かしいものであったことは疑う余地もないが、現実の、そしてひとりの人間として、その光のみならず、同時に裏にある影の部分までもが自身にプレッシャーを与えたであろうことは想像に難くない。それはデフォルメされたゴシップという形で、妄想世界での彼の悪しき評判を形作ったことも事実だ。しかし当然ながら、マイケル・ジャクソンの真実とはその「光」の部分を正面から受け止めることなしにはありえない。



シンコー・ミュージックから出ている追悼特集です。この本は日本人の、日本人による、日本人のためのMichael追悼本です。本も右に開く日本語仕様。Michaelをアーチストとして尊敬している人たちが作り上げた渾身の1冊という印象を受けました。

まず、『Thriller』の発売をリアル・タイムで知っている世代なら、誰もが読んだであろう「ミュージック・ライフ」誌。そのMichaelに関する記事が時系列で抜粋されているのがスゴいです。懐かしい記者さんの名前を見て、「ああ、この記事は覚えてるよー」などと楽しませて頂きました。73年の初来日から始まり96年のヒストリーツアーまで。どの記事を読んでも、欧米の記事に見られる人種差別的なコメントは全く無いですし、Jacksonsについても「Michaelが兄弟とやってるバンド」のような軽い扱いではなく、音楽性やライブについてしっかり評価してくれています。最近昔のゴシップをよく見かけますが、日本の音楽雑誌が決してゴシップ寄りではなく、しっかり音楽を見詰めていたことに嬉しくなりました。

もう一つ嬉しかったのは年表です。Michaelの歴史、世界の歴史、そして自分の思い出を書き込めるタイプのものです。これは本当によいアイデアですね。Michaelと共に成長した世代には、表を見ているだけであれこれ思い出が湧いてきます。

あと関心するのは巻末の「メディアはその死をどう伝えたか」。時間と報道元のデータが細かい字で記されています。多くの人がニュースを見ていたんでしょうね。日本での報道の様子がわからずにいたのですが、これを見て驚きました。きっとどのチャンネルを選んでも、MJの情報ばかりだったのではないでしょうか。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・「おいおい!」とツッコミ入れたくなるようなコメントもなく、ただただMichael愛を感じる1冊です。詳しいディスコグラフィや来日時の様子などを知りたい方におススメしたいと思います。

・Jackson5やJacksons時代の音楽についても学べます。アルバム評も素晴らしく、初めての方にも聴きどころがわかる真摯で親切な説明です。

・日本がどれだけMichaelの音楽に熱狂したかがわかります。私は一度もライブにはいけませんでした。これを読み、また「行けばよかった」という思いを強めています。


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2009

08/13

Thu.

21:47:28

ライフ誌特別編集 マイケル・ジャクソン追悼 

Category【MJ

LIFE MICHAEL 1958-2009 ライフ誌特別編集 マイケル・ジャクソン追悼LIFE MICHAEL 1958-2009 ライフ誌特別編集 マイケル・ジャクソン追悼
(2009/08/05)
ライフ誌

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お盆ということで、この話題にしました。
書き出しをご紹介します。

 アメリカで幼いうちに有名になれば、膨大な数の写真による「人生の記録」ができあがる。マイケル・ジャクソンの場合が、まさにそうだ。マイケルは幼い頃から頻繁に写真を撮られてきた。世に出された写真の大半に写っていたのは、笑顔だった。



アメリカの『LIFE』誌によるMJ追悼特集号-日本語版です。個人的に『LIFE』と『EBONY』の写真が好きで、特に『LIFE』のJackson5時代の写真は何度見てもほのぼのした気分になります。日本版の話が出る前にアメリカのサイトで情報を拾っていたのですが、Little Michael時代の作品が多いと聞いていましたのでかなり期待していました。子どもの頃のかわいいMichaelが見たい!という方にはおススメの1冊です。

今、手元に10冊程度の追悼本がありますが、この本の特徴を一言で説明するならば、「アメリカ人向けの一般的な思い出写真集(簡単な説明付き)」というところでしょうか。本当に簡単な説明文がついています。Michaelの歴史を追いたいですとか、曲作りに関して知りたいという方には物足りないと思います。豪華写真付きダイジェスト版かな。

日本版にはポストカードサイズの付録がついています。日本国内で販売されたCDとDVDのディスコグラフィです。ディスコグラフィの詳細につきましては、こちらのサイトをご覧下さい。

http://www.d21.co.jp/contents/campaign/mj

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・上でも述べましたが、LIFE誌の写真が好きなのでかなり期待していました。さらに事前にアメリカのサイトで未公開写真の話を聞いていましたので、すごく楽しみにしていました。ですが、中身を見てみると、あれ?持っている写真ばかりだぞ。あれ?あっちの雑誌で見た写真だぞ。と、どれが未公開なのか分かりませんでした。でも、元気なMichael坊やの写真は、やっぱりLIFE誌のものが一番だと思います。

・バイオグラフィーではありません。写真集です。その辺をしっかり理解した上で購入することをおススメいたします。




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2009

08/12

Wed.

23:36:17

笹まくら 

Category【日本文学

笹まくら (新潮文庫)笹まくら (新潮文庫)
(1974/07)
丸谷 才一

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書き出しをご紹介します。

 香奠はどれくらいがいいだろう?女の死のしらせを、黒い枠に囲まれた黄色い葉書のなかに読んだとき、浜田庄吉はまずそう思った。あるいは、そのことだけを思った。その直前まで熱心に考えつづけていたのだが、やはり香奠のことだから、すぐこんなことを思案したのは心の惰性のようなものかもしれない。
 忙しい朝だった。課長は課長会議の席から電話で、いろいろなことを問合せたり、言いつけたりしてくる。ほかにも電話がかかってくるし、来客も多い。それに、出張中のもう一人の課長補佐が受け持つ分まで、浜田に仕事がかぶさってくる。彼はそういうことの合間に、ある名誉教授の告別式に包む香奠の額を、庶務課の課長補佐として考えていたのである。その告別式にはたぶん学長がいくはずだった。



8月は日本人にとって、意味深い月だと思います。平和を考える月。そしてそろそろお盆の時期でもありますね。この本は、米原万里さんの『打ちのめされるようなすごい本』の中で知り、是非読んでみたいと思った本でした。

主人公の浜田庄吉は、都内の大学の事務職員としてかれこれ20年を勤めあげてきました。時は昭和の半ば。庄吉には戦時中の行いで隠していることがあります。それは兵役から逃げ通したこと。当時はそれは非常に思い罪として裁かれたんだそうです。それを20年たった今でも心に影をもたらす部分として抱いている。庄吉の思いは常に現在と20年前を行き来しています。現在には陽子という年下の美しい妻が、戦時中には阿貴子という年上の女が彼の横におり、それぞれの時代や庄吉の生き方に重なる重要な存在です。

いわゆる脱走ものの小説ですが、時が戦時中であることだったり、その表現が妙にリアルだったりで、過去のシーンには常に緊迫感が張り付いています。かといって現代はゆったりとしているわけではなく、これまた何かに怯えている。

なんども反芻される庄吉の過去や、昭和40年当時の日本の様子を読んでいると、戦後世代の私たちには決して見ることのできない圧迫感や疎外感を感じます。この時期、必読の1冊です。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・場面展開ですが、「ここから過去」とか「ここまでが現在」というような区切りとなる印はありません。文中突然に時代が代わります。私たちの頭の中もこんな風に次々と話が行ったり来たりしているわけですが、その様子が庄吉の心の迷いとして伝わってきました。

・この時期に海外で(しかもアジアの国で)この本を読むのはちょっと堪えます。そうでなくても戦争の意味を考える時期でもあり、やはり私たちが率先して平和を訴えるべきだと強く思わされました。

・米原さんが推薦なさるだけあり、とにかく見事。常に重く張り詰めた印象をまとった小説で、庄吉のもがく様子に感情移入せずにはいられませんでした。読後は「ああ、やっと逃げられた」という開放感を感じました。でも、やっぱり後味は重いです。




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2009

08/07

Fri.

22:33:47

日本宗教史 

Category【哲学・心理

日本宗教史 (岩波新書)日本宗教史 (岩波新書)
(2006/04)
末木 文美士

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書き出しをご紹介します。

はじめに 日本宗教史をどう見るか

日本思想史と古層論
 丸山真男(一九一四-九六)は、初期の江戸時代の思想史研究から戦前のファシズム研究へと進み、一時代を画したが、その後アカデミズムの場に戻って日本思想史を構築する中で到達した立場の一つが古層論であった。「歴史意識の古層」(『忠誠と反逆』収録)という論文の中で、丸山は記紀神話の冒頭の叙述から「なる、つぎ、いきほひ」という三つの範疇を取り出し、それが執拗な持続低音(basso ostinato)として、「日本の歴史叙述なり、歴史的出来事へのアプローチの仕方なりの基底に、ひそかに、もしくは声高にひびきつづけてきた」とする。そこには戦後、近代的、合理的な思考を日本の中に根付かせ、再び戦前に戻るまいと努力してきた丸山が、その試みに挫折し、伝統的思考の根強さにお手上げとなってしまった状況が反映されているようだ。



信仰を尋ねられて「無宗教です」と答える民族はそう多くはないそうです。日本の場合、年末年始には神社へ参拝に行き、結婚式はキリスト教風、葬儀は仏教で、と多種の宗教が混在している人も多いはず。また、熱心に宗教活動を行わない昨今では、あえて「○○教を信じています」などとは言い難い環境にもあるかもしれません。私もどちらかというと無宗教なんですけど、外国でこれを言うと誤解を与える場合があると思い、大抵は一番影響を受けてるっぽい仏教を挙げています。

この本は、そんな日本の宗教の流れを追うのに最適な1冊です。まず、神話から始まります。神話がどのように宗教へ影響及ぼしたのかはご存知の方も多いでしょう。この当たりですと、歴史や国文学の世界に近いものがありますが、さらっとまとまった内容ですのでわかりやすかったです。逆に難しかったのは仏教で、日本に持ち込まれてから宗派の枝分かれが絶えず行われており、読んでいるうちに頭の中がこんがらがってしまいました。近代の項目はとくに重要な項目が多く、政教分離や新興宗教、神道のありかたなどについて語られています。

人が最も宗教を必要とするのは、やはり死に接する時ではないでしょうか。生まれる場所は選べませんが、命を閉じる場所はある程度自分でコントロールが可能です。また結婚式にしても、何度も行う人もいれば、1度も行わない人だっています。仏教がこれだけ日本の文化に影響を及ぼしたのは、やはり幕を閉じる場面で必要とされたからではないでしょうか。そんな仮定を抱きながら読んでいたわけですが、どうやら死後の世界のあり方も関係しているらしいことがわかりました。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・私はなんとなく輪廻を信じています。あるような気がします、というかそうあって欲しいと思っているのかもしれません。これが私が「仏教徒です」と答えている根本的な理由のような気がします。神社に行くのは、宗教というより習慣や風習や文化の面が強い気がします。それはやっぱり、死に関連してるかどうかの強度なんでしょうね。

・世界平和の鍵の一つを宗教が握っているのは確かです。本来、幸せで平和に暮らすためのものなのに・・・と思わずにはいられません。



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2009

08/06

Thu.

14:54:42

日本の精神性と宗教 

Category【哲学・心理

日本の精神性と宗教日本の精神性と宗教
(2006/04/14)
河合 隼雄橋本 武人

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この本は、天理大学で行われたシンポジウムでの講演を書籍化したものです。
参加者は、河合隼雄先生、鎌田東二先生、山折哲雄先生、橋本武人先生で、私は河合先生と山折先生の講演内容が読みたくて、この本を購入しました。

今日の書き出しは、河合先生の講演の部分からご紹介しましょう。

 もちろん天理大学は宗教ということに非常に関心が高い大学でありますけれど、そうでなくとも、今、日本人の宗教への関心が非常に高くなっていると思います。以前でしたら、宗教のことを何か言うと、どこかうさん臭いなという感じで聞く人がけっこういたのですが、今はどこで話ても、関心をもつ人が多いのが非常に一般的だと思います。
 これにはいろいろ原因が考えられますが、その一つとしては、やはりグローバリゼーションということで、世界中の地域がお互いにコミュニケーションができるようになったことがあげられます。



おなじアジアの国で暮らしているにもかかわらず、やはり文化差による理解度や感覚の違いが生じます。ずっと何が違うのかと考えてきました。私は高校・大学をプロテスタント系の学校で過ごし、高校時代の宗教の時間に初めて聖書を学びました。高校時代は毎朝礼拝があり、聖書の朗読と賛美歌を歌い、月に何度かは講堂に全校生徒が集まり(しかもパイプオルガンがありました)大掛かりな礼拝を行った記憶があります。しかし、我が家は仏壇もあれば神棚もあるという一般的?な家庭でした。一応聖書について学びましたので、西洋のいろいろな事情もなんとなく頭で理解できるようにはなったと思います。

ソウルには至るところに教会があり、毎週礼拝に出席する熱心な信者も多い地域です。一方で儒教はこの国の文化背景の奥深い根として今でも影響を及ぼしています。確かに思考の流れは、私が高校時代に学んだ聖書というよりは、儒教の傾向が強い。キリスト教が入ってきてから、まだ100年余りのソウルでは、まだまだキリスト教的習慣が根付いているとは言いがたいと思います。

そこで、私自身の文化的思考や傾向を客観的に見てみると、幼い頃に身についた仏教的背景があることに気がつきました。それは儒教というフィルターを通したからこそ、初めて強く意識できたんだと思います。

もともと仏教美術が好きなこともあって仏教に関心を抱き続けていたところ、東洋哲学や民俗学についても興味を持つようになりました。そこで、日本人の根底にある宗教観についてもっとフォーカスしてみようと購入したのがこの本です。河合先生のお話は、自然の中で共存する神からグローバル世界での個人主義・利己主義へと広がります。敬う気持ちが薄れ始めていることが、現代の日本を変えているというご指摘です。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・天理大学という場所柄もあり、お話はそちらに流れる傾向が強いのですが、河合先生のお話と山折先生のお話には非常に含蓄があります。宗教観がどのように文化として受け止められているのかを知りたい方は、山折先生と鎌田先生の講演部分を読んでみて下さい。

・河合先生の講演内にある、インディアンのお話が非常に心に残りました。河合先生が訪れたナバホ族の人々には、「宗教」という言葉がないんだそうです。理由は、生活そのものが宗教だから。目覚めたら感謝し、食事をしては感謝し、地面に立てば感謝する。「ありがたい」という気持ちを常に抱いて生きることが、私たちのいう「宗教」に相当する。だからわざわざ「宗教」という言葉を使わないんだそうです。感慨深いお話です。


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2009

08/05

Wed.

22:00:25

海辺のカフカ 

Category【日本文学

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)海辺のカフカ (上) (新潮文庫)
(2005/02/28)
村上 春樹

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海辺のカフカ (下) (新潮文庫)海辺のカフカ (下) (新潮文庫)
(2005/02/28)
村上 春樹

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書き出しを紹介します。

「それで、お金のことはなんとかなったんだね?」とカラスと呼ばれる少年は言う。いくぶんのっそりとした、いつものしゃべりかただ。深い眠りから目覚めたばかりで、口の筋肉が重くてまだうまく動かないときのような。でもそれはそぶりみたいなもので、じっさいには隅から隅まで目覚めている。いつもと同じように。
 僕はうなずく。
「どれくらい?」
 もう一度頭の中で数字を確認してから、僕は答える。「現金が40万ほど。そのほかにカードで出せる銀行預金も少し。もちろんじゅうぶんとは言えないけど、とりあえずはなんとかなるんじゃないかな」
「まあ悪くない」とカラスと呼ばれる少年は言う。「とりあえずはね」



世の中、村上春樹さんの新刊でもりあがっているというのに、一人過去の作品(文庫になったものばかりですけど・・・)読んでいます。でも、この本は夏の今、読むべき本です。ベストタイミングで読めました。

話は2重螺旋になっています。1つは15歳の僕、もう一つはナカタさんという猫と会話できるおじいさんが主人公です。自分が15の頃、どんな風に暮らしていたのか、どんなことを考えていたのか、もうすっかり忘れてしまいました。ただ、ここに出てくる「僕」は心身ともに大人びている気がします。まだ15、中学生ですよ。なのにしっかりとした性の知識があるのに驚きました。あれ、15歳ってそんなものでしたっけ?

久しぶりに付箋片手に読書をしました。たしか『1Q84』の発売日の朝だったと思うのですが、NHKで台湾での村上さんの人気ぶりについて放送されていました。あまりに好きで、日本に留学に来た方がでておられて、大学ノートにびっちりと好きなフレーズを書き込んでいたんです。彼女は宝物のように大切にしていて、時折そのノートを見ては力を得ていると言っていました。そのことが頭の中に残っていて、私も村上さん専用のお気に入りフレーズノートを作成してみようと思ったわけです。

今回私が付箋を貼ったものは、大きく言うと「人生ってどんなものだろう」が主題になっていて、全ては人の命に関連しているものでした。少し紹介させて下さい。

"ただね、僕がそれよりも更にうんざりさせられるのは、想像力を欠いた人々だ。T.S.エリオットの言う<うつろな人間たち>だ。"(P384)

"「そりゃいい。だからね、俺が言いたいのは、つまり相手がどんなものであれ、人がこうして生きている限り、まわりにあるすべてのものとのあいだに自然に意味が生まれるということだ。いちばん大事なのはそれが自然かどうかっていうことなんだ。頭がいいとか悪いとかそういうことじゃないんだ。それを自分の目を使って見るか見ないか、それだけのことだよ」"(P400)

"「愛というのは、世界を再構築することだから、そこではどんなことだって起こりうるんだ」"(P479)



jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・猫と話せるナカタさんが非常に印象に残りました。美しいほどに真っ直ぐで、強い。

・30過ぎても、自分の存在の意味や価値がわかりません。15歳の田村くんにも人生とは何かが重くのしかかっています。たった数週間の間に少年が育っていく様子が非常に心に響きます。

・夏の読書にピッタリです。扇風機にでもあたりながらどうぞ。




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2009

08/04

Tue.

12:31:37

単純な脳、複雑な「私」 

Category【サイエンス

単純な脳、複雑な「私」単純な脳、複雑な「私」
(2009/05/08)
池谷裕二

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書き出しをご紹介します。

 みなさん、はじめまして。池谷裕二と申します。私はこの高校を平成元年(1989年)に卒業しています。だからみなさんの先輩にあたります。今からほぼ20年前だから、どのくらい前かと、あれ、たった今気づいたんですが、みなさんだれも生まれてないんですか・・・・・・ああ・・・・・・そうですよね、そうなんですか。思わず同様してしまいました(笑)。
 えっと、会場になっているこの体育館、当時から変わっていませんね。卒業直後一度だけ遊びに来たんですが、その後は後者の中に入ったことがありません。だからものすごく懐かしい。同時に、不思議な感覚が今しています。



池谷さんの処女作を読んだ時の衝撃、今でも覚えています。海馬が記憶の秘密を握っているという内容だったのですが、専門が医学ではなく薬学だったのが驚きだったことや、私よりたった数年歳上なだけなのに、こんなにスゴい大発見をなさっただなんて!という思いもありました。

今回の本は、池谷さんの母校で行った特別講義をまとめたものです。前半は体育館で大勢の生徒さんの前でのミニ講義、後半はもっと学びたいという有志数名の前での特別講義という構成になっています。東大めざした池谷さんの後輩たちだけあって、やはりみなさん優秀です。前半は大人数相手ということもあり、専門用語も少なく人体の神秘を楽しく伝える印象を受けますが、後半は結構専門的でした。途中「ついていけない・・・」と思う部分もありましたが、時折出てくる実験の楽しさに知らず知らずのうちに話に引き込まれてしまいました。

実験についてですが、視覚で確認できるようなサービスがついています。特設HPがありますので、それを見ながら読書を進めると、まるで教室で一緒に授業を聞いているような気分になれますのでおススメです。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・脳に関する本が随分多く出されるようになりました。これも池谷さんの海馬の話題があったからではないでしょうか。この本を読み、「どうして?」と思っていたふとした習慣やクセの正体がわかった気がします。

・これは読んで良かった!と思える1冊です。授業を受けた生徒さんも言ってますが、脳は医学に属するような気がしますが、突き詰めていくと文学や哲学や心理学にも共通します。ビジネスにも、学業にも、気がつくと共通しているのです。偉人と言われる人たちがどうしてスゴかったのか。この本から少し気付きを得られました。

・付箋とともに読書することをおススメします。私は手ぶらで読んだのですが、気になることが多すぎて、最初から最後まで関心が膨らむのを感じながら読書できました。「そういえば、あの話はどこだっけ?」「あの実験は?」と再読したくなる部分が多いので、付箋などの目印を残しておくと便利です。読めば読むほど、いろいろなひらめきを得られるような本ですね。


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2009

08/03

Mon.

16:26:27

できそこないの男たち  

Category【サイエンス

できそこないの男たち (光文社新書)できそこないの男たち (光文社新書)
(2008/10/17)
福岡伸一

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書き出しをご紹介します。

 プロローグ

 司会者が次の演者の発表をアナウンスすると会場は水を打ったように静かになった。私は発表者がどこから現れるのかと目を泳がせていた。名前は知っているが、どんな人物なのかはわからない彼をいち早くとらえようと。
 おもむろに最前列から背の高い痩せぎすの青年がひょろりと立ち上がってそのまま演台の前に立った。こいつがデイビッド・ペイジなのか。ジーンズに白いポロシャツ姿。年のころはひょっとすると自分とあまりかわらない。なのにこれから人類史上最も重要な発見について発表しようとしている。彼がまだ一言も発しないうちから私は圧倒された。



『生物と無生物のあいだ』でおなじみの、福岡伸一さんの書籍です。福岡さんの著作を手に取るまで、随分時間がかかりました。というのも、私はこの手のモロ理系のお話が苦手だったからです。ところが『生物と~』が随分人気となったこともあり、「じゃあ、読んでみるとするか」と重い腰を上げたのですが、読み始めて直ぐに吸い込まれるかのように熱中してしまいました。私同様、理系が苦手なみなさんへ。理系の本というより、探偵本のノリで読むことをおススメします。きっと楽しめるでしょう。

さて、この本は生き物がどういう過程を経て、男と女に分類されるのかを問うものです。体系的にも、機能的にも男女には異なる役割がありますが、今までそれがどういった構造でなされているのかなんて考えたことがありませんでした。ただ「違う」ということ以外に興味がなかったからかもしれません。

ちょうど福岡先生がアメリカでポスドクとして研究に明け暮れていた頃、アメリカの医学界では大きな発表がありました。それが男女を決定する遺伝子を特定できたというものです。イブとアダムはどうしてできたのか。男女差を作り出す遺伝子を探偵が犯人を捜すかのような慎重さで追跡していきます。私は女性ですので、男性の気持ちや感覚を分からずにおりましたが、この本を読んで「なるほど」と思える箇所がたくさんありました。女性には「なるほど」の多い1冊かと思います。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・日本は世界一の長寿国です。私は120歳くらいまで生きちゃうような気もしています。ところで男性の平均寿命は、どこの地域でも女性より数年短いんだそうです。理由は一言で、遺伝子の差。女性の方が強いようですよ。

・自然には学ぶべきことや気付きが多いです。宇宙船や車や飛行機やテレビやパソコンを発明し続けてきた人類ですが、未だに人体への謎は解けずにいる。自然に神秘に惹かれるこの頃です。

目次、折り込みます。

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