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2008

04/21

Mon.

12:03:56

マリー・アントワネット 翻訳の差 

Category【その他

昨日ご紹介した、『マリー・アントワネット』。
作者はシュテファン・ツヴァイクというウィーン生まれの作家です。
この本は上下巻に分かれているのですが、私の不注意で上巻を河出文庫版、下巻を角川文庫版で購入してしまいました。ちょうど第21章が両巻に載せられていたので、翻訳を比較してみようと思います。

まずは、河出文庫版。初版は1989年です。

マリー・アントワネット 上 (河出文庫)マリー・アントワネット 上 (河出文庫)
(2006/11/03)
シュテファン・ツヴァイク

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 彼はそうだったのか、そうではなかったのか?(幕あいの疑問)

 ハンス・アクセル・フォン・フェルセンがマリー・アントワネットの魂のドラマのなかで演じたのは、長いあいだずっと思い誤られてきたように脇役ではなくて主役だったということが、これでわかったことと思う。それも反論の余地無くわかったはずである。王妃に対する彼の関係は単なる優雅な遊戯、ロマンティックなたわむれ、騎士的な吟遊詩人の態度とはまったくちがい、二十年のあいだに鍛えあげられ確証された愛であって、その燃えるような色をした情熱のマントと言い、その勇気の、王笏のような高潔と言い、その感情の、あるれるばかりの大いさと言い、その力を象徴するものをことごとくそなえた愛なのであった。




次に角川文庫版。初版は2007年です。

マリー・アントワネット 下マリー・アントワネット 下
(2007/01)
シュテファン・ツヴァイク

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 彼はそうだったか、そうではなかったか?(幕間の問いかけ)

 さて、こうしたことがわかってみると、ハンス・アクセル・フォン・フェルゼンは―これまで長く誤解されてきたが―マリー・アントワネットの魂の物語における脇役などではなく、まぎれもない主役だということが反論の余地なく明らかであろう。彼の王妃に対する気持ちは、単なる気取った媚態、ロマンティックな戯れ、吟遊詩人的な愛の歌などではなく、二十年も鍛えられ守られてきた真の愛であり、火と燃える情熱のマンと、勇気という高貴な王笏、豪奢なまでに偉大な感情といった、王侯のしるしを全て備えた愛の力に裏打ちされている。



どうです?結構違うでしょ?まずタイトルが違いますよね。
最初の1文では、河出版は2文に分けて翻訳されていますが、角川版は挿入をつかって1文におさめています。また、最後の1文も随分違います。主述だけ切り抜くと、

河出版
王妃に対する彼の関係は―その力を象徴するものをことごとくそなえた愛なのであった。

角川版
彼の王妃に対する気持ちは―王侯のしるしを全てそなえた愛の力に裏打ちされている。

「関係」なのか、「気持ち」なのか。この1語、大きな差ですよ。「関係」なら、愛があってもなくても、オフィシャルな対人関係とも取れますよね。「愛」を尊敬や信頼とも捉えることが可能です。「気持ち」だと恋愛的感情がぐっと強まります。

決定的な1文はこれだと思います。

河出版
二十年のあいだに鍛えあげられ確証された愛であって

角川版
二十年も鍛えられ守られてきた真の愛であり

「確証された愛」って、ちょっと伝わりにくいですね。私にはわかりませんでした。一方角川版の「真の愛」は、すぐに理解できます。

私の印象としては、河出版は若干「論文調」です。歴史や文学の研究論文みたいなにおいがする。文体や使われている言葉が堅いのと、私の推測ですが、恐らく文法的に性格に訳す事への忠実さがにじみ出ているんだと思います。

一方角川版は、わかり易く読み易い訳になっています。まず、河出版と大きく違うのは、角川版は改行部分が多いんですね。場面変換に必ず改行が用いられているので、これはきっと、訳者が読み易いように配慮したんじゃないかな?と思います。

面白さを満喫したいかたには、角川版が。資料としての使用を考えておられる方には河出版がよいかと思います。

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