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2008

07/14

Mon.

19:53:57

マシアス・ギリの失脚  

Category【日本文学

週末から読んでいた本。やっと読み終わりました。

マシアス・ギリの失脚 (新潮文庫)マシアス・ギリの失脚 (新潮文庫)
(1996/05)
池澤 夏樹

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文庫本で621ページの大作です。久しぶりの長編小説、読み応えがありました!

まずは書き出しからご紹介しましょう。

 朝から話をはじめよう。すべてよき物語は朝の薄明の中から出現するものだから。
 午前五時三十分。空はまだ暗いのに、鳥たちが巣を出て騒ぎだす。東の空は夜の漆黒から少しだけ青みを帯びた色に変わって、地平線のすぐ下に太陽あ待っていることを遠まわしにほのめかしている。鳥は騒ぐ。勝手放題のまとまりのないコーラスで太陽を誘い出そうと騒ぎたてる。やがて、その声を遠く聞きつけてか、あるいはそれが天の決まりだからか、太陽はしぶしぶ顔を出し、その最初の光が雲の間をついてこの島の上空を染める。新しい日がはじまる。朝になって日が昇るのは決まりきったことだろうに、善良な鳥たちは毎朝のそれをまるで奇跡のように異口同音に鑽仰して迎える。



マシアス・ギリは、南洋にある小国ナビダード民主共和国の大統領。そのマシアスの大統領再任から、失脚までの日々が、幾つかの層に重なり合いながら綴られています。マシアスの幼少時代、日本への留学時代、帰国後、大統領としての生活、私生活、また街の風景など、それぞれが入れ替わり立ち代り現れます。まるで多彩な窓が次々と開け放たれるようです。とにかく、その微妙な重なり合いは、南洋にある神秘性と混じりあい、もっともっと深みへ引き込みます。

ナビダードが日本の植民地だった事で、日本から慰霊団の一行がやってきます。バスで移動中のご一行、なぜか魔法のように消えてしまうのです。ところが、その消えたバスの目撃情報は絶えず島民の耳に届きます。小説の途中途中に現われる「バスレポート」は、不思議な目撃情報を淡々と語るのみなのですが、それが神出鬼没に突然現れます。スパイスです。

ナビダードは3つの島からなるのですが、最も遠く小さなメルチョール島は、精神的に国を支えている重要な場所です。8年に一度、ユーカユーマイという祭りが開かれ、島内の聖地8箇所で巫女による儀式が執り行われます。その描写は鮮やかで、まるで時折テレビに現われる南国の土地祭りを見ているかのようです。このメルチョールの神秘性が、小説を大きく包んでいます。

こういう小説は、どう分類するんでしょうか。層のひとつひとつが、あらゆる要素(例えば、ファンタジーとか、ミステリーとか)を含んでいるようで、私には一言では表現できません。

いつか、こういう味のある小説の解説や評を、生き生きと語れる人間になりたい!と、強く思わせる作品でした。ああ、私にもこんな文才があったら!惚れ惚れする文章でした。

この小説は本当に読む価値ありですよ。

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