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2008

08/25

Mon.

16:20:27

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 

Category【日本文学

大好きなエッセイスト、米原万里さん。
幼少時代をプラハのソビエト学校で過ごされ、その頃の貴重な経験が綴られているのがこの本です。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)
(2004/06)
米原 万里

商品詳細を見る


米原さんと、3人の少女が主人公。ギリシア人のリッツァ、ルーマニア人のアーニャ、ユーゴスラビア人のヤスミンカは、プラハのソビエト学校の同級生です。日本に帰国した米原さんは、最初は文通を続けていたものの、慣れない日本での生活や、進学や就職など目の前の事に追われているうちに、ソビエト学校の友達とも疎遠になってしまいます。ところが、ギリシアの政権が代わり、ルーマニアは混乱に陥り、そしてユーゴスラビアは戦争となりました。いつもソビエト学校の友人の事を思っていた米原さんは、彼女らを探しにそれぞれの国へ渡ります。

書き出しをご紹介しましょう。

 ただでもらった馬の歯を見るものではない ― 「贈り物にケチをつけるな」という意味のヨーロッパ各地に伝わる諺である。
 もっとも私は、諺の戒めの意味するところよりも、馬を品定めするときの決め手が歯であるという生活の智恵のほうに感心してしまう。市場に馬を買いに来た人たちが、「おっ、これはっ」と目星をつけた馬に近付いていくと売り主は、まず何はさておき馬の上下の唇(という言い方をしていいものかは別として)を歯茎のあたりまでめくり上げて見せる。次に鼻面をむんずとつかんで口をこじ開ける。
「どうです、だんな、文句の付けようがないでしょう」
 歯には馬の健康状態が如実に反映される。それに、老いるほどに歯は磨耗していく。ババをつかまされないように、買い手のほうは、歯の一本一本に食い入るような視線を注ぐ。丁々発止の値段交渉が始まるのは、それからだ。そんな風景が浮かんでくる。
 そして必ずリッツァのことを思い出す。 



私の子どもの頃、ロシアは「ソ連」と呼ばれていました。北海道育ちのせいでしょうか。祖父母がソ連に暮らした経験があったからでしょうか。ソ連は近いけど、行ってはいけない遠い国だと思っていました。小樽に遊びに行くとロシア人がたくさんいて、その身体の大きさや、分からない言葉と声の迫力に圧倒されたものです。そしてあの青い目が、「ソ連はとても寒くて冷たい国」と連想させたのかもしれません。幼い頃は、ロシア文学もバレエも美術も何も知らなかった。アメリカ(そしてアメリカにくっついている日本)の敵がソ連でしたから、ニュースも自ずと暗いものばかりだったように記憶しています。

この本は、ソ連の豊かさや、温かさが見える1冊です。米原さんのエッセイの中で、私はこの作品が一番好きです。米原さんはどうやって子供ながらに「ソ連」という大きな存在を受け止めたのでしょうか。「国」を構成するのは「人」です。きっと人々の中に何か特別な物を見つけたのでしょうね。だからこそ、日本に戻られてからもロシアと関り続けたのではないでしょうか。

こんな時代があった、という事をすっかり忘れていました。
今、この世に米原さんはもうおられませんが、その後リッツァが、アーニャが、ヤスミンカがどうやって暮らしているのか、読後も頭から離れません。

時折、ベルリンの壁の崩壊や、写真でみたプラハの姿が心に浮かびました。

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