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2009

03/16

Mon.

21:19:16

沼地のある森を抜けて  

Category【日本文学

ますます梨木ファンに勢いが。

沼地のある森を抜けて (新潮文庫)沼地のある森を抜けて (新潮文庫)
(2008/11/27)
梨木 香歩

商品詳細を見る


書き出しをご紹介します。

 夕立が上がった。繁華街の真ん中を流れる川の湿気がそのまま町を包み、猥雑な匂いも喧噪も、、川面に垂れる柳の緑も人の思いも、そして合間に光るネオンサインも、もやに溶け合って皆半透明のカプセルの中に浮かんでいるよう。こんなにたくさんの人々が傍らを通り過ぎて行くのに、何だかそれが一人一人、「人」という実感がない。川の漂流物と同じ、私の両側で無関係に浮いて流れてゆく。向こう側から見れば無表情に歩く私こそ、浮いて流れて見えなくなる500ミリリットルサイズのペットボトルみたいなものなのかもしれない。すれ違う空っぽのペットボトルの群れ。
 その風景のカプセルの中を、新しい住まいになったマンションへと向かう。



はぁ~。書き出し、美しいですね。
読んでいて映像が浮かぶような作品でした。ちょっと宮崎ワールドに共通するところがあった気もします。

この作品も不思議な不思議なお話でした。
一族代々続く「ぬかどこ」があるというのです。どうやらそれは、主人公である久美の母方の祖先に伝わるもので、駆け落ちした先祖が故郷の島から持ち出したたった一つの所有物でした。話は久美の母親の妹が亡くなり、遺産としておばのマンションへ引っ越すところから始まります。そのマンションには「ぬかどこ」がセットでついてきました。
 そもそもおばが亡くなる前、その「ぬかどこ」は久美の家にありました。久美の両親は交通事故で亡くなるのですが、両親の他界後はおばの所へ引き継がれたのです。もう一人のおばの言うように「ぬかどこ」を引き継いだ久美ですが、どんどんと不思議なことが起きます。どうも「ぬかどこ」はただの漬物をつけるだけのものではなく、次々と久美を引きずり込む奇妙な存在となるのでした。

jumee걲point1d この本を読んで jumee걲point1d

・「うわっ。やられたー!」今回も衝撃の作品でした。「ぬかどこ」という余りにも日本的なアイテムが、梨木さん独特のファンタジーの世界にマッチしているのが驚きです。これ、映画化して欲しいなー。

・余り詳しく書くとネタバレしちゃいますので、さらっと書きます。家族代々とか、血族というつながりは西洋の小説でも良く見られますが、この小説はもっと深く「遺伝子レベル」の話が根の一つとなっています。日本人ならではの感覚が秘められており、これを欧米人が読んだらどう思うのかな?と思いました。ホラー的に感じるのかな?それとも神秘的に見えるのかな?

・二重螺旋のような作品です。本筋と並ぶ形でもう一つの世界についても書かれています。その断定させない曖昧さが、より不思議の世界を膨らませています。

・昨今の社会問題を心の片隅に思い浮かべながら読みました。例えば、命、歴史、伝統、少子化、ジェンダー、交流、平和・・・。「ぬかどこ」の存在が、読者の視点を遠ざけたり近づけたりと、ピントやフォーカスを決定する鍵となっています。ぼやけて見える時は不思議さが炸裂している瞬間なのですが、でもしっかりとピントを合わせると、実はクリアな筋が見える。凄いです。この小説は。

・「ぬかどこ」、そういえば昔実家にあった気が。でもどんなものだったか、今では全く思い出せません。残念。そっと手を入れてみたいな。

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