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2009

08/12

Wed.

23:36:17

笹まくら 

Category【日本文学

笹まくら (新潮文庫)笹まくら (新潮文庫)
(1974/07)
丸谷 才一

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書き出しをご紹介します。

 香奠はどれくらいがいいだろう?女の死のしらせを、黒い枠に囲まれた黄色い葉書のなかに読んだとき、浜田庄吉はまずそう思った。あるいは、そのことだけを思った。その直前まで熱心に考えつづけていたのだが、やはり香奠のことだから、すぐこんなことを思案したのは心の惰性のようなものかもしれない。
 忙しい朝だった。課長は課長会議の席から電話で、いろいろなことを問合せたり、言いつけたりしてくる。ほかにも電話がかかってくるし、来客も多い。それに、出張中のもう一人の課長補佐が受け持つ分まで、浜田に仕事がかぶさってくる。彼はそういうことの合間に、ある名誉教授の告別式に包む香奠の額を、庶務課の課長補佐として考えていたのである。その告別式にはたぶん学長がいくはずだった。



8月は日本人にとって、意味深い月だと思います。平和を考える月。そしてそろそろお盆の時期でもありますね。この本は、米原万里さんの『打ちのめされるようなすごい本』の中で知り、是非読んでみたいと思った本でした。

主人公の浜田庄吉は、都内の大学の事務職員としてかれこれ20年を勤めあげてきました。時は昭和の半ば。庄吉には戦時中の行いで隠していることがあります。それは兵役から逃げ通したこと。当時はそれは非常に思い罪として裁かれたんだそうです。それを20年たった今でも心に影をもたらす部分として抱いている。庄吉の思いは常に現在と20年前を行き来しています。現在には陽子という年下の美しい妻が、戦時中には阿貴子という年上の女が彼の横におり、それぞれの時代や庄吉の生き方に重なる重要な存在です。

いわゆる脱走ものの小説ですが、時が戦時中であることだったり、その表現が妙にリアルだったりで、過去のシーンには常に緊迫感が張り付いています。かといって現代はゆったりとしているわけではなく、これまた何かに怯えている。

なんども反芻される庄吉の過去や、昭和40年当時の日本の様子を読んでいると、戦後世代の私たちには決して見ることのできない圧迫感や疎外感を感じます。この時期、必読の1冊です。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・場面展開ですが、「ここから過去」とか「ここまでが現在」というような区切りとなる印はありません。文中突然に時代が代わります。私たちの頭の中もこんな風に次々と話が行ったり来たりしているわけですが、その様子が庄吉の心の迷いとして伝わってきました。

・この時期に海外で(しかもアジアの国で)この本を読むのはちょっと堪えます。そうでなくても戦争の意味を考える時期でもあり、やはり私たちが率先して平和を訴えるべきだと強く思わされました。

・米原さんが推薦なさるだけあり、とにかく見事。常に重く張り詰めた印象をまとった小説で、庄吉のもがく様子に感情移入せずにはいられませんでした。読後は「ああ、やっと逃げられた」という開放感を感じました。でも、やっぱり後味は重いです。




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