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2009

08/26

Wed.

21:06:11

虞美人草 

Category【日本文学

虞美人草 (岩波文庫)虞美人草 (岩波文庫)
(2000)
夏目 漱石

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書き出しをご紹介します。

 「随分遠いね。元来どこから登るのだ」
と一人が手巾で額を拭きながら立ち留まった。
 「どこか己にも判然せんがね。どこから登ったって、同じ事だ。山はあすこに見えているんだから」
と顔も体軀も四角に出来上がった男が無造作に答えた。
 反を打った中折れの茶の廂の下から、深き眉を動かしながら、見上げる頭の上には、微茫なる春の空の、底までも藍を漂わして、吹けば揺くかと怪しまるるほど柔らかき中に屹然として、どうする気かといわぬばかりに叡山が聳えている。
 「恐ろしい頑固な山だなあ」と四角な胸を突き出して、ちょっと桜の杖に倚たせていたが、
 「あんなに見えるんだから、訳はない」と今度は叡山を軽蔑したような事をいう。
 「あんなに見えるって、見えるのは今朝宿を立つ時から見えている。京都へ来て叡山が見えなくなっちゃ大変だ」



この間読んだ『草枕』に引き続き、夏目漱石を読んでいます。

岩波文庫版は、現代語訳ではなく訳注の付いた旧かな版です。

この人物は若者(男3名、女3名)の人生のかかわりと、彼らの周りの保護者との関係、そしてそれぞれの人間性を書いた長編小説です。註によりますと、漱石が朝日新聞に入社して職業小説家としての第一号作とありました。

甲野さんと宗近君の京都の旅から話は始まります。それぞれ甲野さんには藤尾、宗近君には糸子という妹がおりますが、歳は近いとも二人の性格は全く異なる。甲野さんの父はヨーロッパで頓死し、異母兄妹の藤尾、その母とともに暮らしておりますが、心は通じ合っておりません。一方、宗近君のところは互いに信頼し合える健全な兄妹関係にあります。藤尾は美しく気高い女性で、甲野さんの学校時代の知人である小野さんから英詩を習っている。その小野さんは、とても優秀な人で今は博士論文を書いている。そして小野さんには、京都時代にお世話になった恩師とその娘さんの面倒をみなければならないという、過去の約束がある。

これらの事情が6名の周りを巡り、悲劇となるお話です。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・『草枕』を読んだ時ほど「むずかしい」とは思いませんでした。旧字体にはかルビが振られていますし、後ろの註を読むことで理解ができます。

・それぞれの登場人物の性格の特徴を見ていると、誰にでもこんな面はあるのでは?と思えてきました。それぞれに「弱さ」がある。その判断基準になっているのが、宗近君の存在かと思います。今の世にも通じる人間模様です。

・岩波版を読み始めて、まだ2冊目です。漱石の文学を理解できるようになるには、まだまだ読んでいかなくてはと思っています。職業作家となり、初の作品が悲劇というのも興味深いですが、この小説は人間関係とそれぞれの人柄が、面白さに色を添えています。登場人物の会話も、その掛け合わせが変わるごとに、会話の調子が変わってくる。それがおもしろくて、一気に読めてしまいました。



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