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2010

11/23

Tue.

09:19:58

風車祭 

Category【日本文学


風車祭 上 (角川文庫)風車祭 上 (角川文庫)
(2009/10/24)
池上 永一

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書き出しをご紹介します。

プロローグ

 今日の島は朝から賑やかだ。旧暦の九月七日の始まりは、木々の無数のざわめきと、いつになく大きく鳴り響く潮騒、そして島唄と三線の微かな音色の重なりだった。明けの爽やかな風が海から届いてくる。白と煉瓦色のストライプの屋根に座ったシーサーの雄が朝の恵みをまっさきに招き入れた。まだ島人のほとんどは眠りについたままだ。新しい火の微かな予感。そしてそれが希望に変わったとき、一陣の風が島を駆け回り、島人に目覚めの時がやってきたことを告げる。
 明けようとする少し前、市内の新川に住んでいる仲村渠フジが目覚める。九十七年目の良き日の始まりだ。彼女はゆっくりと庭に下りる。肺の中身を新鮮な空気に交換すると、彼女の意識がさえわたってきた。微かに聞こえていた三線の音色は、祝いのメロディだ。風も木も、飛び立つ白鷺の群れのざわめきも、三線の素朴な音色と相まって、心地好さを増していた。島が輝きに満ちたとき、朝のざわめき全体が収斂されて、祭りの前奏曲となった。視の夜、そして再生の朝を迎えた島は、沖縄最大の生命の祭りへと、高まっていく。



上下2巻。
この本も2chの「小説まったく読まないんだが初心者におすすめの小説教えろ 東野圭吾とかいうの読んどけばいいのか?」に紹介されていた本です。この本を読んで、ますます2chの情報網ってすごいなーと思った次第。

風車祭と書いて、カジマヤーと読みます。この祭りは旧暦の9月7日に行われる97歳の長寿の祭りだそうで、風車をオープンカーにつけて町中を練り歩くものなんだそうです。

登場人物はこれからカジマヤーを向かえようというおばあちゃんのフジ。この一族は長寿の家系なのか、フジを筆頭に80代の娘トミ、60代の孫ハツ、40代ひ孫美津子と4世代が一つ屋根の下に暮らしているという驚異的な一族です。トミが実質的に家族の面倒をみているのですが、母と娘にいいように使われている感じ。トミのところへは高校生の男の子武士がよく遊びに来ます。沖縄の高齢者というのはみなさん、こうなのでしょうか。伝統や風習を非常に重んじていて、先祖や土地の魂への祈りを捧げるシーンが多く見られます。武士はそんなトミのガムランのような祝詞が大好きで、この日も聞きに来ていました。祝詞が始まると、どこからか臭気が近づいてくる。90代のフジはいち早くその匂いに気づき、逃げていきます。どうやらマゾームノーナという妖怪火が近づいてきたようです。

ところが武士はその気配がわからない。それどころか、どこからか話しかけられている声すら聞こえてきます。トミが施した魔よけでその時は難を逃れますが、じきにまたこのマゾームノーナと再会することに。フジは96歳とはいえとんでもない婆さんで、武士からお金をくすめるし、トミへの贈り物は自分のものにしてしまうしと元気すぎるのが大問題ですが、しかしフジの頭の中にはたくさんの石垣の歴史がつまっています。彼女が見聞きしたことは、たいてい覚えている。フジは武士に入れ知恵をして、霊が見える方法を教えておもしろがります。何といってもフジは「パーッと楽しくて、ザーッと血が流れて、ワーッと泣けて、スカッと気分がよくなって、ついでにゲラゲラ笑えること」を娯楽として長生きの糧としています。そんなフジの策略を知らない武士は、どんどんとマゾームノーナへの世界へ足を踏み入れていく。

武士とマゾームノーナとの出会いには、同級生の妹郁子がいました。郁子はたまたま路上を歩いていたのですが、武士とともにマゾームノーナを見てしまう。彼らが見たのは巨大な豚と美しい琉球衣装を身につけた娘でした。豚の名はギーギー、娘はピシャーマ。ピシャーマは自分の結婚式の日、突然石になってしまい、自分が死んだかどうなのかもわからないと言います。それから武士と郁子はマゾームノーナへの世界へどんどん深入りしていく。

沖縄には「マブイを落とす」という表現があるそうです。命とは違い、魂に似たようなものなんでしょうか。しかしマブイを落としてしまうと、命にかかわりがある。異界のものに接すると、マブイを落としてしまう。話だけですとなんとも恐ろしいんですが、登場人物の破天荒なキャラクターのせいか笑いが絶えません。

沖縄の言葉のテンポ、おばあ達の信じられないほどに元気な姿、青春真っ只中の高校生、そして女の強さが心地よい。そしてフジの信念どおりに、血は流れないけど、パーッと楽しく、ワーッと泣けて、スカッと気分がよくなって、ついでにゲラゲラ笑える小説です。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・都会が舞台の小説にはない、地域や家族が太いパイプで繋がっているようなお話でした。キャラクターがどれもありえない独特さを秘めています。

・思わず沖縄に行きたくなってしまう小説です。神秘の島、石垣!

・最後までわくわくが続きます。途中、笑えて泣ける場面が何度もあります。スカッと気分転換したい方、なにかに落ち込んでいて元気がでないかた、是非読んでみて。おばあの姿に「自分、こんなんでいいのか!?」と自問自答したくなるはずです。


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