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2010

12/29

Wed.

06:32:19

わたしが棄てた女 

Category【日本文学


わたしが棄てた女 (講談社文庫 え 1-4)わたしが棄てた女 (講談社文庫 え 1-4)
(1972/12/15)
遠藤 周作

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書き出しをご紹介します。

ぼくの手記(一)

 男やもめに蛆がわく……
 むかしから言われてきた言葉だが、慎みぶかい読者姉妹はまさか、若い青年二人の下宿を、のぞかれたことはありますまい。彼等がいかに物ぐさで、その住む部屋がいかに乱雑で、臭気にみちているかをじかにかいで見たこともありますまい。
 しかし、貴女にもし、遊学されている愛すべき兄弟、恋人がおありなら、ある日、突然、その下宿を奇襲されることをお奨めしましょう。襖をあけられた途端、あなたは、
「まア。いやッ。」
 顔をあからめ、絶句なさるにちがいない。
 この物語は、戦争が終わって三年後の二人の若者の下宿からはじまるのだが、女性の読者を多少、辟易させる部分が出てきたとしても、それは必ずしも、こちらの罪ではない。当時、長島繁男とぼくこと吉岡努は、独身の学生だったのである。二人が共同生活を営んだ神田の下宿は、さすがに蛆まではわかなかったが、夏には自慢できるほどノミがピョン、ピョン飛んでいた。神田の焼けあとや復興したばかりのバラックがみおろせるこの六畳は、それでも下宿難のあの時代に、敷金不要、権利金いらずで、見つけるに随分、苦心したものだった。



『林真理子の名作読本』で紹介されていた一冊です。この小説が一番最初に紹介される名作。横に小さく昭和38年に「主婦の友」に掲載されていたという簡単な紹介文が書かれています。舞台は戦後すぐの東京で、主人公は一流ではない大学に通う吉岡。この吉岡が最初から最後まで、まるで女性の敵とでも言いたくなるような嫌なやつなんですね。今で言うところの肉食まる出しな男です。

吉岡はお金もなく、抱ける女もいない大学生。そもそも戦後すぐのことですから、結婚前に処女を失うことは稀だったんじゃないかと思われます。しかし赤線に行って欲を処理する金もない吉岡は、適当に抱ける女を得ようと田舎出身の女工ミツに目をつけます。ミツは大学生というだけで吉岡に憧れを抱いている。なによりもミツは美しくもなく、家柄もよいわけではありません。吉岡はそんなぱっとしないミツをちょうどよい女として2回目の出会いでミツを抱きます。しかも欲さえ満たされれば即効ミツを邪魔にする。

林真理子さんもおっしゃってますが、この吉岡の態度が最初から最後までムカついてしょうがない。吉岡はミツをはけ口として利用しているにもかかわらず、ミツは吉岡を想っているというのもなんともやるせない気持ちになります。そのうち吉岡はミツの前から姿を消し勤め先の女性と付き合うようになるのですが、その女性は以前ミツと同じ工場で働いていたことのある人だった。吉岡の頭の中にミツの存在がちらつきます。しかし後悔しても、もう遅い。

結末はとてつもなく悲しい小説です。「棄てた」の意味が重くのしかかります。

jumee☆point1d この本を読んで jumee☆point1d

・遠藤周作先生といえば敬虔なクリスチャンのイメージがあります。なのにこの作品はなんどもドロッとしている。初めて遠藤作品を読みましたが、こんなに重いのかーという驚きばかりが募りました。

・林真理子さん、この作品を高校生のときにお読みになったんだとか。アラフォーの私が読んでも十分に衝撃的です。高校生ならもっとどきつい小説に感じられるんじゃないでしょうか。



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