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2008

03/02

Sun.

21:25:53

文学部唯野教授 

Category【日本文学

さて、今日も再読からのご紹介です。

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)
(2000/01)
筒井 康隆

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学生時代、本当によく読みました。文学部の学生だった方なら、思い出の1冊というところではないでしょうか。


 大学の講義は12分遅れて始まり十二分早く終わるのが常識とされている。これをだいたい正確に守れぬような教授は学生から教授として扱ってもらえない。だから唯野も正確に十二分早く「比較文学論」の講義を追え、四十九号館の七百二十六番教室から廊下へ出た。新学期になって最初の講義だ。もちろんノートは助教授時代以来五年越しの使いまわしである。
 「唯野先生」講義が終わるのを待っていたらしく、廊下の壁に密着して立っていた仏文学科の雑務助手である蟇目が、おどおどした声をかけてきた。やや間のびした顔だがハリソン・フォードに似ていなくもない。「ええと、ちょっとお話が、あの、もちろん、ここで立ってお話ししてもいいわけなんですが」
 「できれば誰にも聞かれたくない。いいでしょ。ぼくの研究室へ行きましょ。同じことなら秘密めかしたお喋りの方が刺激的だからね。保守的と言われようが何と言われようが、その方が言語ゲームを聖化します。ヴィトゲンシュタインもそう言ってるしね」



文学部の方、文学がお好きな方、これホントに笑えます。是非読んでみて下さい!

唯野教授はとにかく喋る!歩く饒舌と呼ばれる英文科の先生です。そして独身。将来は自分の文学理論を確立したいという野心を持つわけですが、その野心の1%でもって小説を書いている。ところで大学教授というものは、どんなに質の高い物でも新聞、雑誌、書籍を低俗だと考える風がある。だから唯野教授も自分が小説を書いているなんて事がバレては大変な事になってしまうのです。他の教授たちから妬みもイジメも受けず、普通に教授として暮らしたい。それなのに、唯野教授の小説は文学賞にノミネートされ、当選してしまいます。そんな唯野教授の大学での人間関係や恋愛関係などに加え、「文芸批評論」の講義が本の中心です。大学前期の講義が9講分、印象批評に始まり、ポスト構造主義までが納められています。

とにかくおもしろいのが文学部の教授たち。もうドタバタです。この本の中では、教授という人種は「幼稚」の一言で片付けられます。決して大学はこの本の通りではないと思いますし、教授という人格にも私はリスペクトする部分が多大にあります。でも早治大学の先生方は模範とはかけ離れた逸材ぞろいです。

【まとめ】
唯野教授のような文学の先生、本当に存在したらどんなに楽しいでしょう。小難しいハイデガーなんかも、非常に楽しく感じられます。自分が受けた講義を思い返しても、文学理論って眠くなるような難しい話が多くありませんでした?特に西洋哲学の授業では、もちろん原語では読めませんが、翻訳する事で余計にテキストが難しくてお手上げ状態でした。でも唯野教授の漫談のような授業なら、絶対に眠くはならないでしょう。唯野教授にかかれば、フッサールもエリオットもソシュールも「ああ、そういう事言いたかったのね。」と急に手に届く学問になります。

「現象学」や「記号論」の項では応用言語学を思い出しました。「構造主義」もなかなか理解できなくて、何度もテキストを読んだ記憶があります。ああ、文学論ってやっぱり楽しい!と学生時代を思いだせる素晴らしい本です。

そして、本の読み方という点でも助けになると思います。最近は速読やスピードを持って本を読むことに目が向いておりましたが、「そうそう、こんな風に本を読んでたよー」と文学畑の香りを懐かしく感じました。

初版が92年ではありますが、文学理論の根底は代わりません。文学部の学生さんなら、これを読んでから授業を受けると、学校が楽しくなると思いますよ。

余談ですが、この本によく「黄色い砂」という表現が出てきます。私も詳しくわからなかったので調べてみました。1987年に広島の大学で助手が学部長を刺殺し、遺体に黄色い砂をかけるという事件があったそうです。その事件を描写しての表現ですが、本書では大きな意味を表してますので是非一読をおススメします。

余談ついでに、もう一つ。多分ないと思いますが、「もしこの本が今ドラマ化されたらー」と思いながら再読していました。私が抱いた唯野教授のイメージは、カンニングの竹山氏です。彼ならきっと面白く演じてくれると思うんですが、いかがでしょう?

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